特別支援学校 高等部1年生

療育後 その後の子供の成長~体験記~

療育はしてるものの、子供はどんな成長を遂げているのだろう?

療育をしているお母さんたちにとって、お子様の将来への不安はつきものですよね。
私も療育を始めた時は、子供の成長に期待と不安が入り交じっていました。

この記事では、私自身の息子(療育1歳~。現在高1)の経験なども含め、将来への不安を少しでも軽くできるヒントをお届け出来たらなと思います。

将来への漠然とした不安

我が子が障害と分かった瞬間。
母親は絶望の淵に立たされ、『なぜ私が?』『あれがダメだったから?』と原因探しを始める事もあると思います。
私自身がそうでした。

そして、言われるがまま療育をしているけど。どこまで伸びる?将来どうなる?
結局はそこが知りたい!そんな思いで毎日いっぱいでした。

しかし息子が高一となった今。
『やっぱり療育を続けててよかった!』
そう思ったのが一番の感想です。

  • 自己表現力の向上
    息子は言葉の発達が遅れていました。
    しかし、療育を通じてコミュニケーションの手段や表現方法を学び、今では自分の意思や感情を言葉でしっかりと伝えることができるようになりました。
    言葉の力は子供たちにとって大きな武器となります。
    もちろんまだまだ足りない部分もありますが、当時言語聴覚士の先生からの訓練など、沢山のプロの方々から適切なご指導を頂いたおかげで、今の息子の自己表現力がついたと思っています。
  • 社会性の向上
    療育に通うことでの大きなメリットの一つで、他のお友達の関わりを深める機会がありました。
    集団での活動やコミュニケーションの訓練を通じて、社会性が息子なりに伸びていったのかなと思います。
    SSTという集団生活のコミュニケーションをとる訓練もありました。
  • 指先練習

    息子は極度の不器用で、指も曲がっており力が入りにくいです。
    一番沢山受けさせて頂いたのは、作業療法でした。
    楽しみながら指先練習をし、明るい雰囲気の中沢山のアイディアを頂きました。
    息子の場合は出来ないからといって、極度の練習をすると逆に緊張が入り、最悪の場合骨が曲がる場合があるという素人ではなかなか思いつかない、とても貴重なアドバイスも頂きました。
  • 身体練習

    身体の使い方も苦手な息子。理学療法士の先生にも沢山のアドバイスを頂きました。
    体幹が鍛えられてないから指先にも力が入りにくい。
    靴の選び方など、楽しいおもちゃを使いながら沢山の訓練をして頂きました。
  • 自己肯定感の向上

    無理のない低いハードルで、達成すれば褒める。
    親はなかなかその微妙なさじ加減のハードルは設定しにくく、焦りからかつい感情的になってしまいます。
    療育の先生方は冷静かつ適切な対応をして下さるので、息子も小さな自己肯定感を積み重ねられたなと体感しています。
音楽療法士の先生との出会い

息子はデイサービスで音楽療法のレッスンを受けておりました。

音楽療法は『楽器を叩く練習』だけではなく、一緒にペアになってリズムを取る練習(協調性)、順番に叩く譲り合いの練習などコミュニケーションの訓練にもとても役立つ工夫をされています。
失敗してもいい、自分だけじゃない、大丈夫だよ!
学校では人よりも失敗が多い子供達にとって、そんな場所づくりがとても重要と音楽療法の先生から学びました。

『正直楽器をいつも叩いて意味があるのかな?』といって辞めていく保護者の方もおられ、私も仕事で忙しく遠方という事もあり、実は離脱してしまいそうになりました。
けれども今となっては当時続けてて、本当によかったと思います。

音楽療法の
先生
音楽療法の 先生

自分ができる事に自信を持ち自己肯定感が高まると、『このままでいいんだ』と自分を大切にすることもできるんだよ。

貴重な遊びの時間

息子は音楽療法の先生から、沢山の『遊び』の場を提供して頂きました。
レッスンの後、思い切り先生方は子供達を遊ばせてくれます。
とにかく自由に!汗だくになって。
当時小学校高学年となっている息子ですが、小さな子達と一緒にいつも鬼ごっこをしていました。

母

幼い遊びだな💦やっぱり息子は幼いな💦

そんな事を思ったのを覚えています。
そんな私の気持ちを察してか先生は教えて下さりました。

音楽療法の先生
音楽療法の先生

『幼い遊びだなーと思ってるでしょ?笑

でもこれは必要な時間なんだよ。

息子君は多分同級生とはこうやって対等に鬼ごっこを思い切り出来ずに大きくなった。
今の同級生は鬼ごっこなんてもうしない。
ぽっかり穴が空いた経験できてない遊びを今埋める必要はあるんだよ。
そうしたら自己肯定感も沢山積みあがっていくんだよ。』

なるほどなと。。

結局息子は毎回とってもその『遊び』の時間を楽しみに長距離ながらも進んで通っていました。

同窓会

先日音楽療法士の先生との同窓会をしました。
当時沢山泣いて、悩んで。。のママさん同士。

今や子供も親も皆、笑顔の集まりとなっていました。
中には立派な社会人になってるお友達も。

『タイムスリップして昔の自分に言ってあげたい。大丈夫大丈夫。未来は家族で笑ってるよと。』

そんな事を話すママさん。
私自身もそう思います。

音楽療法士の先生
音楽療法士の先生

何より一番大事なのは、お母さんの心の状態だからね。
お母さんが辛いと子供に連鎖しちゃう。
当たりもきつくなるしね。
実はどんな道も間違いじゃない。
最後にこうやって子供達が
活き活きと笑っていられること。
それが最重要だからね。
だからお母さん達が歩んできた道は間違いないんだよ。

気付けば、先生はいつも私達の自己肯定感も上げて下さっていました。

実は母親の為の療育?

息子はきっとB型作業所勤めとなりそうです。

昔の自分はそれよりももっと上に!最低時給確保されてるA型に。
そこから就労移行へ。。
そして企業就労へ。

ずっと気持ち的に背伸びしていました。

けれども今は息子の実力と真っすぐに向き合い、無理をしない、一番の居場所を考えていきたいなと思っています。
どの選択をしても幸せの道は確実にある。
お金面はまた違った工夫と対策を考えよう。

諦めとは違う、一番大事な事に気づかされたと感じてます。
それを学べたのが沢山受けさせて頂いた療育の場。


当時デイサービスでは子供達を預け、母親同士の悩みや愚痴を言い合える時間を与えて下さりました。

子供への療育の効果はもちろんですが、『自分だけじゃない』という事実が、辛く暗いトンネルの中の日々の母親にとっては一番の救いだった気がします。
障害のタイプは様々だけど、そしてやっぱりその中でも羨ましいなと思ったりする事もあったけど、
お互いに尊重し合える場所があったからこそ、孤独にはならなかった。

実は療育というものは、母親の為のものだったのかな。。
それが息子の健全な心の成長に一番の効果だったのかも。

当時は気づきもしなかったけど、そんな気がした、感謝の一日でした。

最近は療育の希望者も増えて息子の時代よりも受けるハードルが高くなっているともお聞きします。
デイサービスなどもタイプは様々ですので、お子様にとってお母様にとって、技術向上のみならず長年心の支えとなる療育の場に出会える様、心からお祈り申し上げます。

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